役所が過払い金返還を代わりに請求して、それを税金として徴収する。
最近この方法の記事をよく見ますね。
ある市は、何社かの返還請求に応じなかった消費者金融に対して法的手段を取るなど、強気のようです。
ただ、記事の最後にあるように、税の滞納者自身が納税よりも生活費に…と希望があるときは、それに応じてほしいですね。
金利過払い金を“代理回収” 滞納税徴収策を検証
(2007年11月8日 神戸新聞)
税滞納者が消費者金融などへ必要以上に支払ったグレーゾーン金利による「過払い金」の返還請求権を差し押さえ、回収して地方税に充当するという手法が、財政難に悩む自治体などの注目を集めている。きっかけはこの金利を事実上無効とした昨年一月の最高裁判決。兵庫県内で初めてこの手法を導入した芦屋市はこれまでに、総額約千四百万円分を差し押さえ、うち消費者金融四社から約百六十万円を回収。支払いに応じない消費者金融を相手に訴訟も起こした。滞納税徴収対策としての有効性や問題点を同市の対応を中心に検証した。(阪神総局・小川 晶)
グレーゾーン金利は、出資法の上限金利(年29・2%)と、利息制限法が定める上限(元本額により年15-20%)の間の金利。最高裁判決を受け、「過払い金」として返還を求める動きが広がった。貸金業法改正で、〇九年末をめどに撤廃される。
地方税滞納者に過払い金がある場合、その不当利得返還請求権を自治体が差し押さえ、滞納税などに充当する-。そんな手法があることを、芦屋市の長谷川省三収税課長は昨年末、専門誌に掲載された論文で初めて知った。書いたのは、グレーゾーン金利に詳しい瀧康暢弁護士。長谷川課長はすぐに、瀧弁護士を招いて職員研修会を開き、手続きの進め方などを学んだ。
今年三月には、市税約百六十万円を滞納していた夫婦に、消費者金融五社で計約四百万円の過払い金があることを確認。不当利得返還請求権を市が差し押さえ、夫婦に代わって過払い金の返還を五社に求めた。その結果、三社から計約百二十五万円を回収でき、市税に充当した。
同市では滞納税対策として、滞納者の預金や年金の差し押さえなども積極的に進めてきたが、「相手が銀行か、消費者金融かの違い」と同課長。「預金も過払い金も滞納者の財産であることに変わりはない」と新たに取り入れた手法のポイントをそう話す。
夫婦に過払い金があった五社のうち、二社が返還請求に応じなかったが、市は先月、このうち大手消費者金融「プロミス」を相手に、過払い金三十一万円を市に支払うよう求める訴えを、西宮簡裁に起こした。残る一社についても、訴訟準備を進めるなど、今後も同様の対応をする業者に法的手段を採るなど厳しい姿勢で臨む考えだ。
不当利得返還請求権を自治体が差し押さえ、滞納税などに充当する手法は、東京都や神奈川県なども採用、全国的にも広がる傾向という。先月には、全国の自治体の収税担当者が集まった「徴収サミット」で初めて過払い金の回収が議題として取り上げられた。背景には、本年度から始まった住民税の税源移譲があるとされる。ほとんどの自治体で、市区町村民税の収入は増えるが、徴収率の低下も同時に懸念されているからだ。
長谷川課長は、「多くの自治体で採用されれば、消費者金融会社も支払いに応じないわけにはいかなくなるはず。芦屋市が全国のモデルケースとなれば」と話す。
こうした一方で、自治体の対応に慎重さを求める声も出ている。「納税義務があるから、滞納者の同意は必要ないからといって、差し押さえの強行は控えるべき」と指摘するのは、この手法を提唱した瀧弁護士だ。収税対策として有効なだけに「滞納者が家賃や子どもの学費など、生活に直結する支払いを納税よりも優先させたい場合は、柔軟な対応が求められる」と訴える。
最近この方法の記事をよく見ますね。
ある市は、何社かの返還請求に応じなかった消費者金融に対して法的手段を取るなど、強気のようです。
ただ、記事の最後にあるように、税の滞納者自身が納税よりも生活費に…と希望があるときは、それに応じてほしいですね。
金利過払い金を“代理回収” 滞納税徴収策を検証
(2007年11月8日 神戸新聞)
税滞納者が消費者金融などへ必要以上に支払ったグレーゾーン金利による「過払い金」の返還請求権を差し押さえ、回収して地方税に充当するという手法が、財政難に悩む自治体などの注目を集めている。きっかけはこの金利を事実上無効とした昨年一月の最高裁判決。兵庫県内で初めてこの手法を導入した芦屋市はこれまでに、総額約千四百万円分を差し押さえ、うち消費者金融四社から約百六十万円を回収。支払いに応じない消費者金融を相手に訴訟も起こした。滞納税徴収対策としての有効性や問題点を同市の対応を中心に検証した。(阪神総局・小川 晶)
グレーゾーン金利は、出資法の上限金利(年29・2%)と、利息制限法が定める上限(元本額により年15-20%)の間の金利。最高裁判決を受け、「過払い金」として返還を求める動きが広がった。貸金業法改正で、〇九年末をめどに撤廃される。
地方税滞納者に過払い金がある場合、その不当利得返還請求権を自治体が差し押さえ、滞納税などに充当する-。そんな手法があることを、芦屋市の長谷川省三収税課長は昨年末、専門誌に掲載された論文で初めて知った。書いたのは、グレーゾーン金利に詳しい瀧康暢弁護士。長谷川課長はすぐに、瀧弁護士を招いて職員研修会を開き、手続きの進め方などを学んだ。
今年三月には、市税約百六十万円を滞納していた夫婦に、消費者金融五社で計約四百万円の過払い金があることを確認。不当利得返還請求権を市が差し押さえ、夫婦に代わって過払い金の返還を五社に求めた。その結果、三社から計約百二十五万円を回収でき、市税に充当した。
同市では滞納税対策として、滞納者の預金や年金の差し押さえなども積極的に進めてきたが、「相手が銀行か、消費者金融かの違い」と同課長。「預金も過払い金も滞納者の財産であることに変わりはない」と新たに取り入れた手法のポイントをそう話す。
夫婦に過払い金があった五社のうち、二社が返還請求に応じなかったが、市は先月、このうち大手消費者金融「プロミス」を相手に、過払い金三十一万円を市に支払うよう求める訴えを、西宮簡裁に起こした。残る一社についても、訴訟準備を進めるなど、今後も同様の対応をする業者に法的手段を採るなど厳しい姿勢で臨む考えだ。
不当利得返還請求権を自治体が差し押さえ、滞納税などに充当する手法は、東京都や神奈川県なども採用、全国的にも広がる傾向という。先月には、全国の自治体の収税担当者が集まった「徴収サミット」で初めて過払い金の回収が議題として取り上げられた。背景には、本年度から始まった住民税の税源移譲があるとされる。ほとんどの自治体で、市区町村民税の収入は増えるが、徴収率の低下も同時に懸念されているからだ。
長谷川課長は、「多くの自治体で採用されれば、消費者金融会社も支払いに応じないわけにはいかなくなるはず。芦屋市が全国のモデルケースとなれば」と話す。
こうした一方で、自治体の対応に慎重さを求める声も出ている。「納税義務があるから、滞納者の同意は必要ないからといって、差し押さえの強行は控えるべき」と指摘するのは、この手法を提唱した瀧弁護士だ。収税対策として有効なだけに「滞納者が家賃や子どもの学費など、生活に直結する支払いを納税よりも優先させたい場合は、柔軟な対応が求められる」と訴える。